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納車から1年。「ANCHOR RNC7 EQUIPE」というロードバイクについて
2017年9月で納車から1年が経過したので、今乗っているロードバイク「ANCHOR(アンカー)RNC7 EQUIPE」についての感想などを。
そもそもアンカーに乗ってる人が少ないと思うし、その中でも「RNC7」となるともっと少なくなる印象があります。
ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどでは乗られることすらない、そんなロードバイクについて。
目次
1年経過した変わったパーツなど
だいたい納車直後。
「ロードバイクはクランク側から撮る」というセオリーを知らなかった頃です。この頃は全部左側から撮ってるw
そして1年経過した今。
かなり変わりました……w フレーム以外すべて変わってる勢いです。
ホイール:FULCRUM Racing3(記事)
タイヤ:Continental GrandPrix 4000 S II
サドル:fi’zi:k Arione R1(記事)
シートポスト:fi’zi:k Cyrano R1(記事)
ハンドル:fi’zi:k Cyrano 00(記事)
ペダル:SPEEDPLAY(記事)
コンポーネント:DURA-ACE 9000(記事)
これで重量は大体8kgちょっと。重いですよね。なんせフレーム単体で2,670gです。カーボンフレームなら余裕で1kg以上軽いんだろうな……。
SRAM REDとかカーボンホイールとか使えば7kg台になりそうな予感もしますが、今のところこんな感じです。
※追記:実際に測ってみたら8.17kgでした
▶「デジタル測り」を買って自転車の重量を測ってみた。愛車のクロモリロード、重さは……
「RNC7 EQUIPE」を選んだ理由
ANCHOR(アンカー)は、ブリヂストンサイクルのスポーツバイクブランド。
日本製、日本車ですね。ロードバイクって欧米・台湾メーカーが多いと思いますが、これは数少ないメイドインジャパン(クロモリパイプの溶接・加工を埼玉県上尾市の工場で行っているとのこと。ブリヂストンサイクル株式会社の本社も上尾市ですって)。
とはいえ、僕の場合は日本製にこだわった訳ではないのですけどね……。ロードバイクを探すときの条件として
「クロモリならではの細身ホリゾンタル」
というのにこだわった結果、何だかんだで「RNC7」になりました。うん、とにかくホリゾンタルフレームが欲しかった。完全に個人的な好み。
そして乗ってる人はホント見かけない。TwitterやInstagramなどでRNC7に乗っている人がいればフォローさせていただいてるのですが、リアルではホント見かけない。たまに「あ、ANCHORだ」って思ったら、ANCHORのカーボンロードだったり。
このマイナーさも予想通りだったので不満ではないです。むしろマイナーで被らないのがいいと思ってるぐらいなのでコレでいいです!
また「RNC7」はカラーオーダーに対応していて、自由度の高い配色が可能。
詳細は公式サイトのカラーオーダーページにて。
▶RNC7 EQUIPE | COLOR LAB|ANCHOR COLOR ORDER SYSTEM
色についてはもの凄く超絶迷ったのですが、「長く乗れて将来飽きない色」ということで、紺?ネイビー?みたいな色にしました。サドルとバーテープを白色にする前提で。
地味……!よく言えば落ち着いている……!でも本人は非常に気に入っているのでコレでいいです。
ロードバイク界隈では車体カッコいい的な褒め言葉として「エロい」なんて言ったりしますが、これはあまりエロくないですね。どちらかというと質実剛健、的な? いかにも日本製っぽい感じ。
まぁロードバイクに限らず、日本メーカーは全般的にデザインがなぁ……って話はよく聞きますが、否定はしない……。もちろん個人的にはいい自転車だなぁと常々思っていますし、(乗ってる本人が)幸せならOKです。
でももし2台目を買うなら、カーボンとかエアロとか、ああいうエロいやつがいいなぁ……。アレもアレでやっぱりカッコいいんだよなぁ……。でもそうすると用途が同じになっちゃうから、今度はグラベルロードとかシクロクロス的なモデルがほしいですね^q^
「RNC7 EQUIPE」の特徴と乗り心地
例えばロードバイク車体カタログ的な本では、「日本が誇る最高峰のネオコットフレーム」的なことが書かれていたりします。
まず聞き慣れない「ネオコット(NEO-COT)」について。ANCHOR公式の製品コンセプトページから引用しつつ簡単に説明。
NEO-COT|製品コンセプト|anchor
「ネオコット(NEO-COT)」とは
NEO-COTとは”NEO Contour Optimization Theory”『新形状最適化理論』の頭文字から名付けられたクロモリフレームである。パイプの形状を最適化することで、クロモリとしての最高性能を引き出す形状の理論、という意味合いだ。これがクロモ素材の弾性であるしなやかさを最大限に活かし、最小限の軽さと最大限の強度を持つネオコットフレームを生み出した。
NEO-COT|製品コンセプト|anchor
要するにクロモリフレームのことなのですが、一般的なクロモリとの大きな違いはパイプの形状。
「クロモリといえど丸パイプである必要はない」という考えから、剛性・強度などのバランスを保ちつつ、最適形状にして軽くし、ロスも減らしたのがネオコットフレームとのこと。
技術者たちは丸いクロモリパイプを原型に、この部位のパイプにはこれだけの力がかかるから、こういう形をしているべきだ、という理論を一つ一つ積み重ねていった。クロモリ素材をして作る軽さ、剛性、強度、この最高のバランスを計算してデザインした。
NEO-COT|製品コンセプト|anchor
「バジル成形」という手法により丸パイプの端を広げてラッパのような形状にすることで、軽さと強度を最大化したそうです。
最大肉厚0.9mm、最薄部0.4mmのクロモリパイプを実現
NEO-COT|製品コンセプト|anchor
ラッパのような形状になっているため、良くも悪くもクロモリらしい綺麗な丸パイプではありません。例えばトップチューブは、中心から左右に向かってほんのりと広がっています。
何というか”くびれ”みたいになっていい。(でもあの丸パイプ形状が美しいんだよという人もいますよね、それも分かる。)
またラッパのように広げた部分は、パイプ同士をつなぐラグとしても活用。
普通ならクロモリパイプを溶接するには「ラグ」というパーツを使って溶接するみたいなのですが、そのラグをパイプの端を広げることで代用しちゃおう、みたいな感じっぽいです。(技術的なこと間違ってたらごめん!)
パイプ接合部にラグがないため、滑らかな形状になっているのが特徴。機能美です、機能美。
ブリヂストンサイクル公式チャンネルより、ネオコットテクノロジーの動画も置いておきます。結構わかりやすい!
この「ネオコットフレーム」も以前はレーシングフレームとして採用されていました。しかし今はカーボンフレーム全盛期。
根強いファンがいるものの世間的・商業的には鳴りを潜めつつあるクロモリを現代のニーズに合わせた結果、今はロングライド・ツーリングに適した設計になっているのだとか。
レーシングフレームであるという使命がなくなったネオコットは現在、長距離ライドを楽しむのに適した剛性となり、ツーリングなどに適した造りとなっている。RNC7、RNC3のロード系ネオコットの場合、特に高速域に達すると、クロモリならではのしなやかな乗り味と、伸びのある巡航性能を感じられるよう剛性のチューニングが行われている。
NEO-COT|製品コンセプト|anchor
レーシングフレームとして作られた面影はジオメトリに残っていて、ヘッドチューブが短いです。乗り心地の優しいクロモリでありながら、ジオメトリはレーシー。
なのでハンドルを低くすれば、前傾姿勢を強めに取れます。僕は納車後しばらくしてからコラムカットしてもらって、今は一番低いところまで下げてしまいました。
「ロングライドに適した設計なのにヘッドチューブ短くてハンドル低くできるのかよ」って思うかもですが、身長165cmしかない僕にとってはシートポスト出すにも限度があって、その代わりハンドルを低くすることで落差を出せるRNC7はなかなか良い選択だったかな思っています。(シートポストをできるだけ出してハンドル低くするほうががカッコよく見えそう、という浅はかな理由!w)
そういう意味では、身長が低い人でもクロモリっぽく乗れるフレームだったりするかもw
レーシーっぽいジオメトリと、クロモリならではの優しい乗り心地を両立した珍しいフレーム、なのかもしれませんね。
ただしヘッドチューブが短くなるとフレーム内の空間が狭くなる、というデメリットも出てきます。
ホリゾンタルフレームではフレーム内の空間を大きく取ることができる傾向にあるのですが、ヘッドチューブが短い分、他のクロモリよりもココの空間がちょっと狭いです。それでもフレームバッグなどの取り付けは可能ですが。
ここがもうちょっと広いとボトルやフレームバッグの取り回しがしやすくていいのになぁ、とは思うところです。
あとフロントフォークについて。
フォークは購入時にクロモリ(標準) or カーボン(有料オプション)から選べるのですが、とりあえず僕はクロモリフォークにしました。
形状はベンドフォーク(先端が曲がってるやつ)。ストレートフォークと比べると、もっさりするけど衝撃吸収性には優れる、みたいな感じかと思います。乗り比べしているわけではないのでハッキリとは言えないのですが……。
全体的な衝撃吸収性に関しては、初めて乗ったときに凄まじいと感じました。
比較対象がこれしか無いのですが、例えばGIANTのアルミエントリーロード「DEFY 4」(8万ぐらいで買った人生初のロードバイク)と比べてみると雲泥の差。
あと納車後にショップから家まで乗って帰ったときなんですけど、あまりの柔らかさに「タイヤの空気入ってないじゃん!ショップの野郎め入れ忘れやがったな」と思ってタイヤ触って見たらカッチカチに充填されてて、アレ?じゃあこの柔らかさは……こ、これがクロモリの衝撃吸収性かー!ってめちゃくちゃ驚いた記憶があります。最初はマジで路面からの衝撃が無さすぎてビビった。
ホイールを交換することでちょっと硬い乗り心地になりましたが、それでも路面からの衝撃は柔らかい。路面からの衝撃をフレームが吸収してくれるおかげで、手や尻の疲れもかなりマシ。
その反面、柔らかいので漕ぎ出しはちょっと重いと感じる可能性アリです。
柔らかさと合わせてよく言われる、クロモリ独自の「バネ感」みたいなものは、ロードバイク初心者の僕でも感じるので、たぶん誰でも感じるのではないかと。
平地での巡航時は”伸びる”印象があります。説明しづらくて、ありきたりな言い回しになってしまいますが、巡航時はグンッと伸びる感じで気持ちよく進む!
でも柔らかいこととフレーム自体が重いせいで、やっぱりカーボンみたいな軽い車体と比べると登りはしんどいかもしれません……。
僕は山が好きなのでRNC7で登るけど……軽いカーボンだったらもっとラクなのかぁとか、しんどい時に思わなくはないw(フレームのせいにする前にエンジンを鍛えるという手もある)
あとあと、輪行のときにチェーンを引っ掛ける突起がシートステーにあります。地味ですが非常に便利。
輪行時に後輪を外すとチェーンがブラブラするんですよね。それを固定できる代物です。
輪行のときは、この突起にチェーンを引っ掛けて固定することができます。
だから輪行中にチェーンが落ちたことありません。ほんと超便利これ。
ほとんどのロードバイクにはこんな突起ないはず。そりゃあ速く走るために作られた自転車に、こんな無駄なパーツ必要ないですもんね。そういう意味でも、こんな突起が付いてる時点で「ANCHOR(アンカー)RNC7 EQUIPE」の用途というか考え方はレーシング用途とは根本的に違うんだなぁと。
色々メリットを挙げましたが、もちろんデメリットもあります。サビに弱い。鉄ですからね。
雨に降られたときは当然ながら、海沿いを走ったあともしっかりメンテナンスしましょう。いやこれはホント、雨に濡れたらちゃんと拭いて、シートポストとかクランクとかも抜いてしっかり乾かしたほうがいいと思います。
もし購入を迷っているのなら…
身も蓋もないこと言いますが、気に入ったロードバイクを買うのが一番いいと思います。
気に入った、というのは、「見た目が気に入った」という意味で。
あ〜これならずっと見てても飽きないな〜って思えるロードバイクがいいですよたぶん。そのほうが楽しいと思う。ガチレースではなく趣味として始めるなら、自分の楽しみを最重要視するのがいいのではないでしょうか。
走りのほうはね、パーツ交換である程度変わるし(特にホイールとコンポ交換が効果大きいと思う。でも金はかかる)、あとはエンジンを鍛えるべしですwww
まとめ
すべては自分の楽しみが為に。
こうして僕のRNC7は出来上がったのでした。
輪行して色んなところに行っています!
▶当ブログの「サイクリング」カテゴリー
※追記
2018年で25周年を迎えるネオコットの特設サイトができています。
▶NEO-COT | ブリヂストンサイクル株式会社