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SynologyのNASのデータを、外付けHDDにバックアップ。「Hyper Backup」で簡単設定
SynologyのNAS「DS220+」を使っています。10TBのHDDを2本入れ、RAID1に設定していますが、念のため外付けHDDにもバックアップを取るようにしました。
NAS内でインストールできるアプリ「Hyper Backup」を使って自動バックアップ体制を設定してみたので、やり方を順を追って記載します。
SynologyのNASを外付けHDDにバックアップ
まずを全体像を簡単に紹介します。
SynologyのNAS「DS220+」に、外付けHDDを接続。ケース入りの外付けHDDではなく、HDDスタンドを使っています。
NASの前後に搭載されているUSB 3.2 Gen 1ポートに、外付けHDDを有線接続しました。またMacBook Airを使っているので、Macでの設定を念頭に置いて説明します。
図にすると、このような構成。
それでは「Hyper Backup」を使って、外付けHDDにバックアップする手順を記載します。
NASのデータを外付けHDDにバックアップする設定
「Hyper Backup」を使って外付けHDDにバックアップを取る設定です。
大まかな流れは、大体こんな感じ。
- 外付けHDDを「exFat」でフォーマット
- 外付けHDDをNASに接続
- 「exFAT Access」をインストール
- 「Hyper Backup」をインストール
- 「Hyper Backup」の設定
- 外付けHDDにバックアップ開始
- バックアップ成功
- スケジュール通りに自動バックアップが始まる
ちょっと手順多めですが、順番に記載します。
外付けHDDを「exFat」でフォーマット
今回はMacで読み取れるように、外付けHDDを「exFat」でフォーマットしました。もしWindowsしか使わないのなら「NTFS」でもいいかもしれません。
Macにプリインストールされている「ディスクユーティリティ」を使います。
フォーマットする手順はこちら。
- 外付けHDDを選択
- 上部の「消去」をクリック
- フォーマットで「exFAT」を選ぶ
- 「消去」ボタンをクリック
これで「exFAT」にフォーマットできたと思います。フォーマットするとHDDの中身が完全に消去(初期化)されるので、必要なデータはほかのストレージに移しておきましょう。
NAS内のHDDは、ext4かBtrfsというLinux向けフォーマットになっているので、NASから取り出してWindows/Macに接続しても中身を確認できません。
しかし、「exFat」でフォーマットすれば、外付けHDDをPC(Windows/Mac)に接続したとき、データをすぐ確認できるのが大きなメリット。
外付けHDDをNASに接続
NASのUSBポートに、外付けHDDを接続。
僕はこのように裸のHDDが挿せるスタンドを使っています。
Amazon等で「HDDスタンド」と検索すると出てくるはず。僕が使っているものは廃盤だったので、近いものを貼っておきます。
念のため、外付けHDDがちゃんと接続できたか確認します。
ブラウザからNASにアクセスし、「コントロールパネル」を開きます。
コントロールパネルの「外部デバイス」という項目を見ると、「USB Disk 1」といったかたちで、外付けHDDが接続されているはずです。
フォルダが2つあると思うので、容量が大きいほうの「ファイルシステムの形式」が「exfat」になっていることも確認しておきます。
「exFAT Access」をインストール
ブラウザからNASにアクセスし、「パッケージセンター」を開きます。
「exFAT Access」をインストール。検索したらすぐ出てきます。
このexFAT Accessは、exFATでフォーマットされた外付けHDDにアクセスするために必要なものです。これがないと、exFATでフォーマットされた外付けHDDにアクセスできません。
「exFAT Access」は、Synology製NASに搭載されているOS「DSM(DiskStation Manager)」のバージョンによって有料 or 無料の場合があります。
DSM(DiskStation Manager)のバージョンが「7.0」以上だと、無料でインストール可能。しかし「6.2」以前のバージョンだと、3.99ドル(500円前後)で購入しなければなりません。
exFAT Accessは DSM 7.0ではパッケージセンターから無料でインストールすることができます。DSM 6.2以前のバージョンの場合、パッケージセンターでexFAT Accessを購入する必要があります。
引用:DS220+ハードウェア仕様
特別な事情がなければ、DSM(DiskStation Manager)のバージョンを「7.0」以上にアップデートするのが良さそうですね。OSのアップデートは無料です。
「Hyper Backup」をインストール
続いて先ほどのパッケージセンターで、「Hyper Backup」をインストールします。
「Hyper Backup」の設定
「Hyper Backup」を起動したら、バックアップウィザードが始まります。
ここは結構迷ったのですが、僕は「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」を選択しました。
以下2つで迷いました。
- ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)
- ローカルフォルダ & USB
単一バージョンというのは文字通り、1つのバージョンのバックアップが保存されます。バックアップのバージョン管理はありません。一方「ローカルフォルダ&USB」は、複数バージョンのバックアップが保存されます。
この2つの違いについては、記事の最後にもう少し詳しくまとめました。
「ローカルフォルダ & USB」と「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」の違いは、このあたりを参考にしました。
「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」を選んだ理由は、バックアップの管理がラクだから。
個人的には、主に写真と動画のバックアップができればいいので、バージョン管理が必要なレベルではないかな?という感じでした。
次はバックアップ先を設定します。先ほどexFatでフォーマットした「usbshare1-2」を選択しました。
バックアップするデータを選択。ここはお好みで。
とりあえず僕は写真と動画だけバックアップすることにしました。
バックアップするアプリケーションを選択します。ここもお好みで。
個人的にはまたダウンロードすればいいかなと思い、何もバックアップしませんでした。
最後にバックアップの細かな設定です。
僕が変更したのは、一番下の「バックアップスケジュールを有効にする」の実行時刻を、毎週日曜AM3:00にしたぐらいです。あとはお好みで。
今すぐバックアップするか聞かれるので、「はい」を選択。
外付けHDDにバックアップ開始
これで外付けHDDへのバックアップが始まりました。
最初はものすごく時間がかかります。時間に余裕があるときに作業してください。測ってはいませんが、今回2.7TBぐらいのデータをバックアップするのに丸1日ぐらいかかった印象です。
バックアップ成功
無事にバックアップ成功!
外付けHDDをPCに接続し、中身を確認してみる
外付けHDDをexFATでフォーマットしたので、MacかWindowsにUSB接続すれば、中身を確認できます。
実際MacBook Airに接続すると、Finderで中身を確認できました。ドラッグ&ドロップでデータをほかのストレージに移動させたりできるのが便利です。
とにかくシンプルなので、管理がラク。NAS自体が故障したときなど、緊急時は外付けHDDをPCに接続すればすぐに中身を確認できる安心感がありますね。
次回以降、スケジュール通りに自動バックアップが始まる
その後は、先ほど設定したスケジュール通り、定期的に自動バックアップが始まります。
僕は毎週日曜の深夜3時にバックアップが始まるように設定しました。深夜に突然ガリガリとHDDが動き出すので、最初は何が起こったのかと思いましたが、自分で設定したバックアップが始まっただけでした。
前回のバックアップから変更があった部分だけ上書きされる
定期バックアップの挙動について。今回は「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」を選択しました。
この場合、新規データは追加で保存され、変更点は上書きされるという挙動になるようです。
- 新規データは追加で保存される
- データの変更点は上書きされる
なので、最初のフルバックアップより短時間で終了しました。
「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」は、1つのバージョンのバックアップデータだけ保存されます。また変更点は上書きされるので、バックアップ履歴を遡って復元したい場面が出てきそうな人にはマジで向いていません。
ローカル フォルダ & USB (単一バージョン):これを選択すると、1つのバージョンのデータのみがバックアップ先に維持されます。新しいデータをバックアップする場合、新しいバックアップ データが初期のデータに上書されます。単一バージョンのバックアップ タスクは圧縮できませんし、暗号化することもできません。
引用元:Hyper Backup – Synology ナレッジセンター
「ローカルフォルダ & USB」と「単一バージョン」の違い
最後になりましたが、「ローカルフォルダ & USB」と「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」の特徴・主な違いを簡単にまとめます。
「ローカルフォルダ & USB」の特徴
- 複数のバックアップを保存可能
- NAS専用のバックアップファイル(独自のデータベース形式)で保存されるので、外付けHDDをPCに接続してデータを確認するには専用ソフトが必要
- バックアップデータの暗号化が可能
いかにもNASらしいバックアップができるのが「「ローカルフォルダ & USB」の特徴ですね。
「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」の特徴
- 1つのバックアップだけ保存可能
- 外付けHDDをPCに接続すれば、データを確認できる
- バックアップデータの暗号化はできない
単一バージョンはとてもシンプル。そのぶん誰でも扱いやすいです。
単一バージョンを選んだ理由
個人的には、以下のような理由で「ローカルフォルダ & USB(単一バージョン)」を選びました。
- バックアップのバージョンは1つでもいい
- PCに接続すればすぐに中身を確認できる「管理・運用しやすさ」を重視した
保存するデータの内容に左右されると思いますが、あくまで僕の場合はバックアップは1つでも問題なさそうかなと。せっかくのNASなのにバックアップ履歴を残さないなんて……という気持ちもなくはないですが、シンプルさと扱いやすさを選びました。
NASのデータを外付けHDDにバックアップできた
思ったより簡単に設定できてひと安心です。単一バージョンにしたので、いざというときの復旧も比較的簡単なはず……。
以上、SynologyのNASで「Hyper Backup」を使い、外付けHDDにバックアップを取る方法でした。
▼使用しているNAS
▼使用しているHDD
▼iPhoneで撮影した写真を、PCのLightroom Classicに取り込んで一元管理する方法も。
▼NAS以外の写真管理の方法も。