【散策】十和田湖と奥入瀬渓流を歩いてきた。東北旅2日目【連載2/3】
弘前の桜を見た翌日の話。
- day1…弘前さくらまつり
- day2…十和田湖と奥入瀬渓流(この記事)
- day3…日本海沿いを走る五能線
青森駅前のホテルに宿泊し、今日は十和田湖と奥入瀬渓流へ。
八甲田山もしっかり見える晴天。平日ということもあって人はほとんどおらず、川と森の音だけが聞こえる奥入瀬渓流の散策になりました。
というわけで東北旅2日目です。
東北旅2日目に訪れた場所
十和田湖と奥入瀬渓流。
十和田湖に向かうバスに乗る
青森駅から十和田湖に向かうには、駅前から朝7時45分発のバスに乗ります。ここから終点のバス停「十和田湖(休屋)」まで約3時間。ただしこのJRバスは冬季運休があるようなので、冬に訪れる場合はよくご確認ください。
運賃は最大で片道3,140円ほどかかりますが……、旅程によっては5,000円で2日間乗り降り自由の「フリーきっぷ」を買うとお得になりそうです。
▶十和田湖・奥入瀬方面へのアクセス - 十和田湖国立公園協会
今回乗車したバス & フリーきっぷについて
▶青森・八戸-奥入瀬・十和田湖(みずうみ号・おいらせ号) | 路線バス|JRバス東北【公式HP】
定刻通りバスが発車。市街地を抜けて山に入ります。
4月末ということで青森駅前に雪はありませんでしたが、バスに揺られて山に入るとすぐ積雪が現れ、そして雪の回廊も見えていきました。
「八甲田ロープウェー」が強風により運行を一時停止したとの車内アナウンス。どんなトラブルが起こるかわからないのが山だなぁ、と他人事のように考えていました。まさかこのあと、山ならではのトラブルに自分が巻き込まれるとも知らないで(フラグ)
今日も天気がよく、八甲田山がしっかり見えます。
バスの中では「八甲田雪中行軍遭難事件」についてのアナウンス(録音)が流れていました。映画「八甲田山」やその原作「八甲田山死の彷徨(新田次郎)」などで有名。正直あまりよく知らなかったのですが、アナウンスを聞きつつググってみると、ちょっと尋常じゃない遭難事件。
そんなアナウンスを聞きつつ、雪の回廊を見つつ、青森駅からあっという間に2時間。
「蔦温泉」という場所で一旦トイレ休憩なのですが……。
蔦温泉で倒木のアクシデント
ここで運転手さんから「この先の道が倒木で通れなくなっている」と伝えられました。乗客、一時騒然。
「すでに倒木の撤去は依頼しているけど、いつ通れるようになるかわかりません。このバスもいつ出発できるか何とも言えません」とのこと。
もちろん、乗客はみんな十和田湖と奥入瀬渓流が目当て。奥入瀬渓流まであとちょっとではあるので、ここでバスを降り、歩いて奥入瀬渓流を目指す人も出てきました。
僕も歩くのは苦じゃないのですが、倒木だったらわりとすぐ撤去されそうな気もするし、バスの再出発を待っていたほうがいいかも?これは迷いますね……。
ところで、今トイレ休憩中の場所は「蔦温泉(つたおんせん)」と言って、名前の通りすごく良さそうな温泉があるんですねぇ……!
平安時代から湯治小屋があったという、歴史ある蔦温泉。源泉湧き流しの温泉に入れる「蔦温泉旅館」が目の前にあり、その外観も見るからにとても良い雰囲気です。
いやもうこれ、蔦温泉で温泉に入ってゆっくりして、夕方ぐらいに青森駅行きのバスに乗って帰るのもアリ。めちゃくちゃアリ。
いや〜正直迷う。こういう突発的な旅程の変更も全然悪くない。しゃーねーなぁ頭を切り替えて源泉湧き流しに浸かりますか!
……とか思っていたら。倒木は無事に撤去され、定刻より遅れること45分ほどでバスが出発。
道路の破損などではなく、倒木ですからね。やっぱり撤去してしまえばすぐ通れるようになるわけで。
やっぱりバスに乗り込み、十和田湖を目指します。すぐに奥入瀬渓流が見えてきました。
見どころのあるスポット・滝などではバスが徐行してくれて、アナウンス(録音)で成り立ちや名前の由来などを説明してくれます。ほとんど観光バスですね。
バスのすぐ横を流れる奥入瀬渓流。これから歩くことになる遊歩道(ハイキングコース)もよく見えます。
十和田湖に到着!
十和田湖の湖畔沿いにあるバス停「宇樽部」で下車。
湖畔を歩きながら奥入瀬渓流に向かいたいと思い、この「宇樽部」で降りましたが……、周りには何もなく観光目的で降りる人は少なそうなバス停でしたね。
十和田湖が見たいだけなら、十和田湖と奥入瀬渓流が接するところにあるバス停「子の口」で降りるのが良さそうです。
というわけで十和田湖の湖畔をひたすら歩き、十和田湖の水が奥入瀬渓流へと流れ込む「子の口」まで来ました。
ここ十和田湖は標高400m。大きさは日本で12番目。最大水深は326.8mで第3位。
そしてすごく青い。不思議な蒼さだ。
水、めっちゃきれい!
この日は強風で(そういえば八甲田ロープウェーが強風で止まっていたな……)、十和田湖もこの荒れよう。
遊覧船の乗船場所。
波が高く、水しぶきが小雨みたいになって風に乗って遠くまでやってくるので近寄れません笑。
奥入瀬渓流を散策
先述した「子の口」、十和田湖の水が奥入瀬渓流へと流れ出すこの河口付近から、奥入瀬渓流の遊歩道に入ります。
奥入瀬渓流は約14km。
渓流のすぐ横に遊歩道が整備されていて歩きやすいです。
すぐ横を流れ、かがめば水の冷たさがわかる奥入瀬渓流。
平日ということもあり、人はほとんどいません。水音と木が揺れる音、自分の足音だけが響く。登山と違って高低差はほとんどないので、フットワークも常に軽い。
こういうたとえはちょっと野暮な気もするけど、強いて言えば上高地に似ているかもしれません。数年前に上高地を散策したときは、やはり人気の景勝地だけあって前にも後ろにも人がいましたが、今回はとにかく人がいなくて最高。
靴や服装、帰りのバスの時間について
初めて奥入瀬渓流に行く人向けに、遊歩道を歩いた印象などを簡単に。
遊歩道(ハイキングコース)はしっかり整備されている印象。とはいえもちろんトレッキングシューズを履くに越したことはないですが、路面が乾いていれば歩きやすいスニーカーでも大丈夫かも?みたいな感じ。
十和田湖からスタートすると、奥入瀬渓流はゆるやかな下り坂。全長14kmで高低差は200m。登り下りはそれほどきつくないと思います。
十和田湖の標高が400mなので、奥入瀬渓流の標高は200〜400mあたり。それほど高い標高ではないですが、ここは青森県であることをお忘れなく。真夏はともかく、春や秋は思ったより涼しいはず。
そのうえ川辺を歩くことになるので、基本的に涼しいですね。涼しさ・寒さに耐えられる服装を持っていくほうが良さそうです。
奥入瀬渓流の横を走る国道102/103号線には、バス停が点在しています。
疲れたり、散策中に帰りの時間が迫ってきたりすれば、最寄りのバス停から青森駅のほうへ戻れます。
Googleマップ上で「バス停」と検索すればおおよその場所がわかるはず。
ただしバスの時刻には気を付けたほうがいいかも。青森駅に戻るのであれば、最終バスは15時台になるはずです。
バス停「雲井の滝」からバスで
僕もこの日は、青森駅行きの最終バスに乗らなければなりません。
湖畔のバス停「宇樽部」に着いたのが11時過ぎ(倒木アクシデントで約45分遅れで到着)、そこから十和田湖を眺め、奥入瀬渓流を歩き、時刻は15時頃。そろそろ最終バスの時刻を視野に入れながら移動しないと。
というわけで最終的に、「雲井の滝」のバス停で15:23発のバスに乗って青森駅へ。
奥入瀬渓流の全行程14kmを歩けなかったのはちょっと心残りですが、また来ます。
誰もいない静かな奥入瀬渓流、最高だった。
浅虫温泉で一泊
バスで青森県に戻り、そこから青い森鉄道(ローカル線)で約20分ほど。
前日に知ったばかりの「浅虫温泉」に宿泊することに。突発的な旅路変更ですが、こういう思いがけない発見と適当な行動もまた楽しい。
こじんまりしていて良い温泉街だ……。
浅虫温泉、調べてみると「東北の熱海」や「青森の奥座敷」と呼ばれているとか。名前のインパクトがすごいので、一度知ったら忘れそうにありません。ほかにも上述した「蔦温泉」、バスで途中で通った「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」、日本三大秘湯のひとつ「谷地温泉」など、訪れたい温泉が青森にはたくさんある……!
そんな浅虫温泉で宿泊したのは、400年の歴史があるという「椿館」。
こういう部屋名いいね。
窓際に机とイスが置いてある「あのスペース」がある旅館です。
温泉に入って明日に備えますか!
この日の簡単な旅程まとめ
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十和田湖の湖畔のバス停「宇樽部」で下車
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十和田湖の湖畔を散策
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そのまま奥入瀬渓流をバスの最終時間まで散策
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奥入瀬渓流の横の国道102/103号線沿いのバス停から乗車
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青森駅前でバス下車
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青い森鉄道で「浅虫温泉」まで行って宿泊
【明日】日本海沿いを走る列車「五能線」に乗る
東北3日目となる明日は、青森〜秋田の日本海沿いを走る列車「五能線」に乗車。
景色が良すぎる。
それでは次の記事で。
▶日本海沿いを走る列車「五能線」に乗ってきた。東北旅3日目【連載3/3】