滋賀県の彦根・米原あたりに位置する「多賀大社」に行ってきました。
7月下旬ごろの真夏日に徒歩で散策。万灯祭の準備が進む多賀大社の様子を、写真で振り返る記事。夏の神社と門前町からしか得られない栄養がたぶんある。
夏の多賀大社
多賀大社の場所はこちら。琵琶湖の湖東に該当するエリア。
ちょっと用事で大阪・神戸方面に行ってきました。いろいろ荷物があったので、自転車を持っていくのは断念。用事が終わり、そのまま横浜に帰るのもなんだかもったい気がしたので、Googleマップでどこか良いところはないかな?とチェックして目に留まったのが多賀大社。
大阪駅から彦根駅まで、快速列車で1時間20分ほど。帰りは米原から新幹線に乗れば、(名古屋で乗り換えが発生するけど)横浜まですぐに帰れる位置なので、寄りやすいかなと。
行き当たりばったり感のある徒歩散策の旅になるけど、多賀大社を訪れるにはいい機会。彦根駅のコインロッカーにスーツケースを預けて、いざ。
20分ほどですが近江鉄道ローカル線の旅。
彦根駅から近江鉄道に乗り、「多賀大社前駅」で下車。近江鉄道は交通系ICカードが使えず、現金が必須でした。
駅構内に貼ってあった「お伊勢七度 熊野へ三度 お多賀さまへは月詣り」。鎌倉・室町・江戸時代はお多賀さんと親しまれ、このような謳い文句でたくさんの人が多賀大社を詣でたそうな。
近江鉄道の時刻表を見ると、本数は1時間に1〜2本。帰りの乗車時間の目処をつけておいたほうがいいかもしれません。
多賀大社前駅を出ると、目の前に鳥居。「昭和の一の鳥居」と呼ばれるそうですが、さらにここから多賀大社とは逆方向に約4kmほど歩いたところにも「一の鳥居」があるのですよね。一の鳥居が2つある。
もともと古くから「一の鳥居」があったけど、昭和にもうひとつ鳥居を作ったから「昭和の一の鳥居」と呼ぶようになったのでしょうか? 詳細はわかりません。
多賀大社の門前町
門前町の町並み。
ここから多賀大社までの距離は1kmないぐらい。
古い商家が軒を連ねる門前町を歩く。風情が溢れてる。駅を降りてからずっと思っていたのですが、とにかく人が少ない。おそらく観光客は皆無では? ときどき地元の人らしき車や原付きが通る程度。
平日ですし、立地的にも観光客は少ないのでしょうか。人が少ない町並みをぶらぶら歩くのは個人的には楽しいけど、地域的には大丈夫かなとちょっと心配になったりもしますね。
この日もめちゃくちゃ暑い。もう天気予報は晴れか雨かぐらいしか確認してなくて、気温までちゃんと見てなかったけど、たぶんどうせ35℃ぐらいあったはず。何℃あろうが熱中症に気をつけて散策するだけで、やることは変わらない! この日一気に日焼けしたのは言うまでもありません。
個人的な感覚というか運動強度的に当然かもですが、自転車よりも徒歩のほうが熱中症になりにくい印象があります。登山のように登るわけでもないので、心拍もそこまで上がらない。夏でも徒歩ならガンガン散策できる。猛烈な陽射しだったこの日も足取りは軽快。
多賀大社に近づくにつれ、古民家や飲食店、土産物屋が増えてきました。ただ開店前なのか廃業しているのか空き家なのかわからないような建物も多く見受けられ、やや寂しい気持ちにもなります。
多賀大社の大鳥居〜境内
日本に24ある大社の1つ、多賀大社の大鳥居に到着。
いつ創建されたか定かじゃないそうですが、非常に古く、由緒ある神社みたいです。
多賀大社は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)を祀る神社。八百万の神を産んだ「神産み」の神。天照大御神の親神にあたるため、多賀大社は天照大御神を祀る伊勢神宮の親にあたるとか何とか本当かな。「お伊勢参らばお多賀へまいれ お伊勢お多賀の子でござる」といった言葉もあるとか。
このあたりの詳しいことは知りません。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)や伊邪那美命(いざなみのみこと)を祀る神社は、全国にあるかと思いますし。
こういう趣味をしていると各地の神社を訪れる機会があるため、さすがにちょっと勉強しないといけないと思い、以前「神社のいろは」や「マンガでわかる古事記」みたいな入門書を読んでみました。その程度なのでまったくもって詳しくありません。本は面白かったです。
大鳥居をくぐると、ものすごい提灯の数。おそらくいつでもあるわけじゃなくて、今は夏祭りの準備中のようです。
中央にある急勾配の橋は、豊臣秀吉が信仰を寄せたことから太閤橋と呼ばれるそう。
御神門の先に拝殿。
拝殿の前に大きく掲げられた2文字……右から読んで「神実」でいいのでしょうか。なんて読むのか、しばらく考えてしまいました。神産みの神を祀る神社らしい2文字のような気がします。
神実・主神(読み)かんざね
〘名〙 (古くは「かむざね」と表記)
引用:コトバンク
① 神の正体。神の実体。神体。かみざね。
※古事記伝(1798)二八「此なる正身を書紀には主神とありてカムザネと訓り」
② 神の子孫。また、転じて、神主(かんぬし)。
※読本・雨月物語(1776)吉備津の釜「吉備津(きびつ)の神主(カンザネ)、香央造酒(かさだみき)が女子(むすめ)は」
天気はいいが人は少ない。暑すぎて少ないのか(今さら)
先ほどから提灯がたくさん映り込んでいるように、この時期は万灯祭(まんとうさい)の準備中でした。
約1万灯の提灯に明かりをともし、黄泉の国の伊邪那美命(いざなみのみこと)と祖先に祈りを捧げる祭りだそうな。2023年は8月3〜5日に開催されます。
境内にある蕎麦屋「寿命そば」で昼食。 境内に蕎麦屋というか飲食店があるのは、ちょっと珍しい気がします。
長寿そばの名の通り、長寿のご利益があるらしいです。神社的な言葉を借りると莚命長寿というそうな。
冷たい「鮎そば」を注文。うますぎる。店内は空いていて快適だしクーラーも効いているし、ずっとここにいたい……。
さすがに大鳥居の前は、土産屋が数店舗開いていたので覗いてみます。
アイスやかき氷にも惹かれましたが、多賀大社のお土産・名物として有名だという糸切餅を食べてみました。飴細工のように細く伸ばした餅を、一口大に切ったもの。色使いが独特ですね。柔らかな食感と控えめな甘さ。おいしいです。
胡宮神社
ちょっとだけ足を伸ばして、近くの胡宮神社(このみやじんじゃ)にも寄ってみました。相変わらず誰もいません。
高台の休憩所から見えるのが……
この景色である。ここは穴場じゃないでしょうか。
彦根城には近づけない
なんかジョジョっぽい見出しになったな。彦根城にも行こうとしたのですが、16時半で閉まっていました。
時間内(8:30〜16:30、場所によっては16:45まで)に訪れて入場料を払わないと、まったく近づけないタイプの城ですね。望遠レンズでこれを撮るのが精一杯でした。
また機会があれば行きます……。
安土・近江八幡あたりにも行きたい
次は、安土や近江八幡あたりを自転車で散策したいですね。城も歴史ある町並みもいいし、豊郷小学校とかいうおたくスポット歴史的建造物もある(このあたりにあるのですねGoogleマップを見て初めて知りました)
このあたりを結ぶ近江鉄道では、自転車を無料でそのまま電車内に持ち込めるサイクルトレインが実施されているのもいいですね。
というわけで、最後にこの日撮った夏の雲の写真を貼って終わります。ご覧いただきありがとうございました。
本はこのあたりがわかりやすかったです。