ロードバイクの世界が広がる。
新幹線でロードバイクを輪行したので、注意点や思ったことなどをまとめます。
「特大荷物スペースつき座席」のルール運用が始まったこともあり、いくつか覚えることもありますが、新幹線で輪行できるようになると行動範囲が爆発的に広がりますね!
一気に遠方へワープできる新幹線は、ぜひうまく活用したいところです。
新幹線でロードバイクを輪行する
主に3ステップ必要です。
- 「特大荷物スペースつき座席」を予約する
- 指定の場所(最後部座席の後ろスペース)に輪行袋を置く
- なるべく人が少ない新幹線に乗る(始発など)
順番に書きます。
特大荷物スペースつき座席を予約する
特大荷物スペースつき座席について
まずロードバイク関係なしに、一般的な前提の話をします。
2020年5月20日より、東海道・山陽・九州新幹線では、3辺が合計160cm〜250cm以内の荷物(大きなスーツケースなど)は「特大荷物」と称され、新幹線に持ち込むには「特大荷物スペースつき座席」の予約が必要になりました。
(※3辺の合計が251cm以上の荷物は持込不可)
予約にあたり、追加料金はかかりません。ほかの座席と同じ料金で予約できます。
「特大荷物スペースつき座席」は、一部車両(指定席)の最後部座席に設定されています。主に指定席の最後部座席と、その後ろの荷物スペースがセット販売になったイメージ。
具体的には、最後部座席の3列 & 2列シートと、その後ろスペースが「特大荷物スペースつき座席」となります。自由席には「特大荷物スペースつき座席」は設定されていません。
これまで最後部座席の後ろスペースは誰でも利用できましたが、これからは「特大荷物スペースつき座席」を予約した人の専用スペースとなりました。
「特大荷物スペースつき座席」を予約していない人は、後ろのスペースに荷物を置くことはできません。
東海道新幹線の「特大荷物スペースつき座席」の座席数はこちら。
列車名 | 号車 | 座席数 |
---|---|---|
のぞみ | 普通車:4~7・12~16 グリーン車:8~10 | 普通車:各号車5席(計45席) グリーン車:各号車4席(計12席) |
ひかり | 普通車:6・7・12~16 グリーン車:8~10 | 普通車:各号車5席(計35席) グリーン車:各号車4席(計12席) |
こだま | 普通車:7・12 グリーン車:8~10 ※ただし2021年5月20日以降、14~16号車が指定席になる場合、その最後部座席は「特大荷物スペースつき座席」となります。 | 普通車:各号車5席(計10席) グリーン車:各号車4席(計12席) |
予約せずに「特大荷物」を持ち込んだ場合は、持込手数料1,000円(税込)を乗務員さんに支払う必要があります。余計な出費になってしまうので、可能な限り予約したほうがいいですね。
「特大荷物スペースつき座席」の主なルールは、大体こんな感じです。念のため、JR公式サイトのリンクも置いておきます。やっぱり公式を参照するのが大事。
- 東海道・山陽・九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて|JR東海
- 新幹線への「特大荷物」の持ち込みについて:JRおでかけネット
- 「特大荷物スペースつき座席」の予約|エクスプレス予約 新幹線の会員制ネット予約
ここまでが、特大荷物を新幹線に持ち込むときの前提知識。
ロードバイクを新幹線で輪行する場合
で、ここからはロードバイクを新幹線に持ち込む場合の話。
ロードバイクを輪行状態にすると、3辺が合計160cm〜250cmになる場合がほとんどなので、上記「特大荷物」に該当するサイズとなります。
なので、「特大荷物スペースつき座席」を予約する必要がある……かと思いきや。ちょっとルール適用外がありまして。
ただし、スポーツ用品・楽器・車いす・ベビーカー等については、そのサイズに関わらず事前のご予約は不要です。
引用元:東海道・山陽・九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて|JR東海
スポーツ用品(ロードバイクなどのスポーツ自転車を含む)は、特大荷物サイズであっても、事前予約なしで新幹線に持ち込める、となっています。
ここからがちょっとだけややこしいです!
輪行状態のロードバイクは、事前予約なしで新幹線に持ち込めるとなっています。
とはいえ、実際問題どこに置く?
「特大荷物スペースつき座席」の後ろスペースは、予約した人の専用スペースなので置けません。なので……
- 「特大荷物スペースつき座席の設定がない最後部の指定席」の後ろスペース
- 自由席の最後部座席の後ろスペース
- デッキ
このどこかに置くことになりそうです。でも実際、置けそう?
- ①「特大荷物スペースつき座席の設定がない最後部の指定席」の後ろスペース
-
そもそも、「特大荷物スペースつき座席の設定がない最後部の指定席」なんて席は少ないです。
例えば”のぞみ”の場合、「特大荷物スペースつき座席」があるのはコチラの号車。
- 普通車:4~7・12~16
- グリーン車:8~10
のぞみは16両編成で、自由席は1〜3号車。指定席は4〜7と11〜16号車。ただし11号車は、多目的室や車椅子スペースがある、いわば優先座席的な号車で、ここにロードバイクを置くのは不可というか普通にマナー違反。
グリーン車は8〜10号車で、全号車に「特大荷物スペースつき座席」があります。
つまり、のぞみには「特大荷物スペースつき座席の設定がない最後部の指定席」なんて存在しません。他の”ひかり・こだま”や、山陽・九州新幹線の”さくら・つばめ・みずほ”も似たような感じになっているはずです。
なので、「特大荷物スペースつき座席」を予約せずにロードバイクを新幹線に持ち込む場合、自由席の最後部座席の後ろスペースか、デッキに置くことになるでしょう。
- ②自由席の最後部座席の後ろスペース
-
自由席は、従来どおり早いもの勝ち的な運用でしょう。
空いている時期・路線の始発なんかだと、自由席の最後部座席の後ろスペースにロードバイクを置くことができるかもしれません。
ちなみに今回の特大荷物のルールが定められたことによって、「一般的な特大荷物(大きなスーツケースなど)は自由席に持ち込めません」と明記されました。必ず特大荷物スペースつき座席を予約してね、ということです。
「特大荷物スペースつき座席」の設定が無い、自由席や一部の指定席号車に「特大荷物」をお持込みいただくことはできません。
引用元:東海道・山陽・九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて|JR東海ただし、特大荷物のルールが適用されない荷物(ロードバイクを含むスポーツ用品・楽器・車いす・ベビーカー等)は、これまで通り自由席の最後部座席の後ろスペースに置いてもいい……という解釈で問題ないはず。
ただし、自由席の最後部座席は人気なので、確保できるかどうかは運次第といったところが多々あります。
- ③デッキ
-
デッキについても従来どおりのはず。デッキに輪行袋を置けると思いますが、もちろん新幹線が空いているとき限定でしょう。
また停車駅でお客さんが乗降車する際は、輪行袋が邪魔にならないよう、かなり気をつけておく必要があります。
特定荷物ルールが制定される以前に、デッキに輪行袋を置いて輪行したことがあります。そのときは指定席・自由席ともに最後部座席が確保できず、その後ろスペースもかなり埋まっているような状態でした。仕方なくデッキに輪行袋を置いて、他の人の邪魔にならないように気を配りながら輪行したのですが、正直かなり大変でした……。
そんなわけで、輪行状態のロードバイクは予約なしで新幹線に持ち込めるけれども……
持ち込んだ場合、置き場所は「自由席の最後部座席の後ろスペース」か「デッキ」になりそうです。ただし、自由席の最後部座席という人気席を確保できるかどうかは運に大きく左右されます。デッキに置くにしても管理が大変。
なので結局、ロードバイクを輪行したいなら「特大荷物スペースつき座席」を予約しておくのが無難かな……、といった結論になるかなと思います。
JR公式サイトにも以下のような文言がありました。
大きな荷物のうち、楽器やスポーツ用具、ベビーカー等はこれまで通り、事前予約なくお持ち込みいただけますが、本サービスの導入により、車両最後部のスペースは、特大荷物スペースつき座席をご予約いただいた方にご利用いただくスペースとなります。ご利用をご希望の際は、「特大荷物スペースつき座席」のご予約をおすすめいたします。
引用元:東海道・山陽・九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて|JR東海
むしろ、「特大荷物スペースつき座席」を予約しておくだけで、とりあえず指定席の最後部座席と後ろスペースが一緒に確保できる安心感はけっこう大きいです。追加料金もありませんし。
ただし、予約せず「特大荷物スペースつき座席」にロードバイクを置くと、持込手数料1,000円(税込)を乗務員さんに支払う必要があります。なので輪行するなら、なるべく予約しておいたほうが良さそうです。
ロードバイクで新幹線輪行まとめ
ここまでの内容をまとめます!
- 大前提として、3辺が合計160cm〜250cm以内の「特大荷物(大きなスーツケースなど)」を新幹線に持ち込むには、「特大荷物スペースつき座席」の予約が必要になった
- ロードバイクを輪行状態にすると、この特大荷物サイズに該当する
- しかし、ロードバイクなどのスポーツ自転車を含む「スポーツ用品」はルール適用外。特大荷物サイズだけど、予約なしで新幹線に持ち込めるようになっている
- 予約なしで持ち込めるけれど……、実際問題、置き場所に困りそう。自由席の最後部座席を確保できなかったらツライ
- 結局、新幹線でロードバイクを輪行する場合も、なるべく「特大荷物スペースつき座席」を予約しておいたほうが無難そう
- 予約せずに「特大荷物スペースつき座席」にロードバイクを置いた場合、持込手数料1,000円(税込)がかかる
まとめると、実際のところこんな感じになりそうでしょうか。
このほか「特大荷物スペースつき座席」について、細かな疑問点が出てくると思います。JR公式サイトにて、さまざまな場面を想定したQ&Aが用意されているので、ぜひご覧ください。
▶ 東海道・山陽・九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて|JR東海
「特大荷物スペースつき座席」を予約した人の荷物が多すぎて、キャパオーバーになる可能性もあるでしょう。そこは乗客同士で話し合ったり、乗務員さんの指示に従うといった臨機応変な運用になるようです。
「特大荷物スペースつき座席」がすでに予約で満席というケースもあります。その場合は、空いている時刻の新幹線を探すしかないようですね。
「特大荷物スペースつき座席」の予約方法
「特大荷物スペースつき座席」の予約方法は3パターン。
スマホ・PCからネットで予約するのがラクかなと思います。
- スマホ・PCからネットで予約
※ブラウザもしくはEXアプリを利用( スマートEX & エクスプレス予約 ユーザー向け) - 券売機で予約
- 駅窓口で予約
EXアプリで予約してみた
僕はいつも使っているEXアプリで予約しました。こんなアプリです。
このEXアプリは、「スマートEX」と「エクスプレス予約」の両ユーザーが使えるアプリ。
2つのサービスの主な違いはこちら。
スマートEX | エクスプレス予約 | |
---|---|---|
対象区間 | 東海道・山陽・九州新幹線(東京~鹿児島中央間) | |
利用可能なクレジットカード | 今持っているクレジットカードを登録できる | 対象クレジットカードが必要 |
年会費 | 無料 | 1,100円(税込) |
予約方法 | PC・スマホアプリから予約 | |
予約変更 | PC・スマホアプリから手数料無料で変更可能 | |
価格 | 駅窓口とほぼ同じ | 少しだけ割引されている |
▶ 「スマートEX」と「エクスプレス予約」のサービス比較|JR東海
僕は年会費1,100円かかりますが、エクスプレス予約に加入しています。年会費1,100円を払っても、チケットが少し安く買えるので、1年のうちに東京-新大阪間を1往復すれば元は取れる感じ。
そんなわけで、EXアプリで「特大荷物スペースつき座席」を予約してみます。
アプリを起動したら、まず乗車日や時刻を選択する最初の画面で、「特大荷物あり」を選びます。
乗車する新幹線と、席の等級(普通車 or グリーン車)を選ぶと……
このように、最後部座席のみ表示されます。
スーツケースのアイコンが付いている席が、「特大荷物スペースつき座席」。
すでに予約済みの席も見かけました。
ちなみに、予約済みの人がどんな特大荷物を持ってくるかまではわかりません。特大スーツケースやロードバイク同士でバッティングしたら大変そうですね……。バッティングしたら乗客同士で話し合うか、乗務員さんの指示にしたがうという流れになります。
あとは手続きにしたがって予約するだけ。とても簡単でした。
あとは当日、輪行袋を持って普通に新幹線に乗ればOK。「特大荷物スペースつき座席」の予約を示す証明書みたいなものは特にありません。
スマホからネットから予約できるのがいいですね。「特大荷物スペースつき座席」さえ空いていれば、発車5分前でも予約可能です。
新幹線で輪行するとき、「行きの新幹線」の特大荷物スペースつき座席は、特に問題なく予約できると思います。
しかし「帰りの新幹線」はどうでしょう。自転車ゆえにゴールとなる駅の到着時刻が読みづらく、帰りの新幹線の特大荷物スペースつき座席を前もって予約しておくのは結構難しかったりします。そのため帰りの新幹線は、当日その場で、発車直前の便を予約するということも個人的には多々あります。
そんなとき、スマホからネット予約できる「スマートEX」か「エクスプレス予約」に加入しておくと、かなり便利。スマートEXは無料なので、新幹線で輪行する前に登録しておいてもいいかと思います。
実際に新幹線でロードバイクを輪行するときの注意点
僕がメインで使っている輪行袋は、モンベルの「コンパクトリンコウバッグ」。
横型と言われるタイプの輪行袋です。これで新幹線輪行したときの様子をまとめました。
レビュー記事はこちら。
輪行袋への収納方法は、事前にしっかり練習しておきましょう。できれば新幹線輪行の前に、在来線で輪行を経験しておくと、経験値が上がって安心です。
すでに輪行方法はバッチリ!という人は、実際に新幹線で輪行するとに気をつけたほうが良さそうなことをご確認ください。
できれば人が少ない時刻の新幹線に乗る。始発とか
人が少ない時間帯だと輪行しやすいです。輪行袋という大きなものを持ち込むので、迷惑にならないように人の少ない始発がオススメですしラク。
輪行先でたくさん走るためにも、始発に乗り込んで早く着いたほうが楽しいです。
またゴールデンウィーク・お盆・年末年始など、新幹線が混雑する時期の輪行はめちゃくちゃ大変です。有給などを使ってうまく日程をズラすか、そもそも避けたほうが無難ですね。
横型の輪行袋は2列シートの後ろスペースから少しハミ出る
横型の輪行袋は、3列シートの後ろスペースであれば、すっぽり収まります。
しかし2列シートの後ろスペースだと、20cmぐらいハミ出してしまいます。
ハミ出してしまうので、邪魔にならないよう周囲に気を配る必要があります。
縦型の輪行袋は、2列シートの後ろスペースに収まる
縦型の輪行袋でも、新幹線輪行したことがあります。
縦型だと、2列シートの後ろスペースにすっぽり収まります。
少し混むかもしれない時間帯に乗車する場合や、長距離を輪行する場合(途中の停車駅から荷物を持った人が乗ってき来る可能性が高そうな場合)は、縦型の輪行袋を使って省スペース化したほうがいいかもしれません。
新幹線で輪行するメリット
行動範囲が日本中に広がる。これに尽きると思います。
やっぱり地元ばかり走っていると、どうしても飽きるというもの。しかし新幹線輪行で遠方へ行けば、また新鮮な気持ちで走れます。新幹線なら北海道から九州まで、大体どこでも行けますからね。
本当に自転車の世界が広がると思います。個人的には絶対に覚えたいテクニックの1つです。
▼使った輪行袋はコチラ
▼輪行して走った場所をまとめました